SPRテクニカルベーシックセミナー

セミナー事前申請にて法人負担を行った方のセミナー受講レポートです。是非ご確認ください。

令和5年10月26日 柏KT歯科所属 歯科衛生士

⻭周病とはどんな病気か?

⻭周病原性細菌の感染により様々な臨床症状が発現する疾患

〇⻭周病で発現する臨床症状

  • ⻭肉の腫脹
  • ⻭肉の発赤
  • ⻭肉からの出血
  • 付着の喪失
  • ⻭の動揺
  • ⻭槽骨の吸収

プラークが付着しやすい部位

【⻭間部、⻭頚部、咬合面、そう生部】

歯肉縁上プラークの特徴歯肉縁下プラークの特徴
常に唾液に覆われている歯肉溝滲出液に満たされている
酸を出す歯肉上皮が定期的に剝がされる
弱酸性環境弱アルカリ性環境
う蝕に関与歯周病に関与
好気性菌・通性嫌気性菌が多い偏性嫌気性菌が多い
[糖をエネルギー源とする][アミノ酸をエネルギー源とする]
歯肉歯肉縁上プラークの特徴歯肉縁下プラーク
S.mutansP.ginngivaris
S.sobrinusT.forsythensis
LactobacillusT.dinnticola

【⻭肉縁上⻭石】と【⻭肉縁下⻭石】の特徴に違い

歯肉縁上歯石歯肉縁下歯石
唾液由来成分である歯肉溝浸出液または
カルシウムにより形成血清中の無機質成分により形成
黄白色で柔らかい黒褐色で固い(ヘモグロビン)
唾液腺開口部に沈着しやすい歯周ポケット内に形成

縁上⻭石形成の好発部位

・唾液腺開口部位 ・下顎前⻭部舌側 ・上顎大臼⻭部頬側

⻭肉の性質を考慮した予後を予測

浮腫性⻭肉と線維性⻭肉

浮腫性歯肉比較的柔らかい歯肉
炎症への治癒反応が見られやすい
歯周ポケットの深さは浅くなりやすい
歯肉退縮は起こりやすい
線維性歯肉比較的硬い歯肉
炎症への治癒反応が見えにくい
歯周ポケットの深さは浅くなりにくい
歯肉退縮は起こりにくい

歯肉体質による審美的変化について事前説明を行う

【歯周基本検査】プロービングで得られる情報

  • 歯周ポケットの深さを計測
  • ②歯槽骨の形態を確認
  • ③歯周ポケットからの出血の有無を調べる
  • ④付着歯肉幅を計測する
  • ⑤アタッチメントレベルの測定
  • ⑥軟組織病変の大きさを計測する
  • ⑦根分岐部病変の有無

【SRPに必要な基礎知識】

1.スケーリング

⻭面・根面から⻭石やステインなどの沈着物を除去する 

2、ルートプレーニング 

汚染セメント質を除去し根面を滑沢にする 

3、ルートデブラントメント 

セメント質を温存しながら⻭石や細菌性バイオフィルムを除去する

 4、ディプラーキング
⻭面に付着しているプラークを除去する

【SRP操作テクニック】

  1. 痛みを与えない角度で挿入(0〜40°以内)
  2. 第一シャンクと⻭軸を平行
  3. 先端1mmを根面に確実に沿わせる
  4. カッティングエッジを離さずストローク
  5. 最後まで根面に沿わせたまま引き上げる

≪⻭周組織とは≫

軟組織: ⻭肉 ⻭根膜 

硬組織: セメント質 ⻭槽骨

≪⻭周治療後において治癒した状態とは≫

  • ⻭周組織が臨床的に回復した状態で⻭肉炎症がない 
  • ⻭周ポケットは3mm以下 
  • プロービング時の出血なし
  • ⻭の動揺はなし

≪⻭周治療後において病状安定の状態とは≫

  • ⻭周組織のほとんどの部分は健康を回復したが一部分病変の進行が停止した状態 
  • ⻭周ポケットは4mm以上
  • ブロービング時の出血なし
  • ⻭の動揺は認められるケースあり
  • 根分岐部病変は認められるケースあり

感想

知識を認識したうえで考察を重ね業務に携わることの大切さを実感しました。

知識と技術を得ることで患者様に安心感と満足感を与えることにつながるので、これからも精進したいです。

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